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    窓の外(A)ひまわり

    窓の外を眺めていると小さい頃、レンガで捕えたすゞめを憶いだしたり、紅とかげの尻尾を切ってマッチ棒を突っこんだりしたことを 年前に、気がついたら遠のいていたひとのことと一緒にあらわれたり、消えたりした。 結局、なにひとつち…

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    パテイオのイエローマン

    ビルの7階の中庭に 、大きな樽と小便小僧。 窓越しに、クラブの歌手がフランスの哀しい歌を歌っているのがみえる。 ビルの屋上のネオンサインが点滅するたびに、色がかわるパティオの風景にBOKUlは悪魔を感じた。 せめて、この…

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    バルコニイのイエローマン

    夜の郊外に、白い道がつづく。はるかむこうの金剛の山なみにまでつづくこの白い道をバルコニイの上から見ていると…..。 個性が強すぎたB型、カニ座のKIMIの顔の輪郭があぶりだしのように、くっきりとうかんできては…

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    青い顔をしたサラリイマン

    企業戦士とか 組織の人とか、使いたくもない言葉に順じてひとつ会社員してみましたところ。たいていの人が、自分を殺すことに腐心していて、自分を生かすことに気づいていない。 立派な、コンクリートの会社の中で 一見、一点を見つめ…

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    灰色の川

    美しいひとが、焦点を定めずに、むこうを向いている。 美しいひとが、哀しい目をして遠くを見ている。 美しいひとが、髪をあげて何かを語ろうとしている。 美しいひとは、皆、遠くにいて、つかみどころがなく哀愁を帯びている。 BO…

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    迷える女子短大生

    BOKUがマネージャーをしていた頃の欧風居酒屋に、迷える女子短大生が髪で顔をかくしてウエイトレスをしていた。 髪がうっとおしいねえと、言うと、すぐ、髪に手をやり指ですくいあげるけれども又、すぐに 顔がかくれた。 毎日、毎…

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    壁壁壁 カべに ぶつかってカべに うもれてカベに すわれてカベに なったひと。 いつか、 壁に人の形をした穴がポッカリあいて風が通ったり、むこうが見えたりしたら…..。人は皆、 せみのぬけがらのようになって実…

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    冬の雑木林散歩

    まるで北の国の積雪のように枯れ葉が堆積していた。 BOKUは 娘の木野とトイプードルのプーを連れてその冬の雑木林の中を足で積った枯れ葉をけとばしながら歩いた。 ある手頃な裸木の枝にだらんとぶらさがってみたら背すじがピンと…

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    ピエロの人形

    ピエロの人形が、静物の小道具のスチール棚に横になっていたのでつまんでみたら急に、その顔が、動いた。 キャンバスの中で2本の腕を抜いて骨を抜いてだらんとさせたらかえって 生き物みたいになってびっくりした。 ピエロの人形をけ…

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    椅子と風船と女の人

    カルチャアセンターに絵を習いにいったら、いきなり裸婦の日で困った。 デッサンもしないではだかの、若いモデルさんをずうっと見ていたらある時、視線があった。 20分間ポーズして、15分間休憩するモデルさん。 皆は、20分間の…