エッセイ

2011年の年末・梅沢海岸

百合ヶ丘から車で5分。
ここはトイレがあり西湘バイパス下に日陰ができるのでゴールデンウイークあ たりからバーベーキューの家族で賑わう。
何よりも駐車場が無料なのがいい。

近隣の幼稚園や保育園児の園外保育にもよく利用されている。

そして四季を問わずに魚釣りができる。
初夏から秋にかけてはキス釣り。
防波堤では秋から冬にかけて撒き餌をしたりカゴ釣りでメジナ。
遠投の投げ釣りではたまにヒラメがあがる。

2011年の12月15日、花の出産予定日にあわせて和歌山から洋子さん (大ママ)が初孫とあってかけつけてくれました。ところがかずさんのお腹はうんともすんともいわないので僕は毎日梅沢海岸にでかけては魚釣りをしていた。洋子さんがきてくれている安心感もあり魚釣りに集中できたのを昨日のことのように覚えている。
僕の場合はアミエビ投げたり浮きを飛ばしたりするのは忙しすぎてあまり好ま ない。もっぱらテトラポットの穴釣りでカサゴを狙う。ときどきメバルやハタの小型も上がる。餌はスーパーで買った塩サバの切り身で釣る。

毎日毎日通っているうちにポイントも的確になり釣果も安定してきて、毎晩 の夕食にカサゴの御刺身を食卓に並べると洋子さんもかずさんも大層喜んでく れたのだ。 そうこうしているうちにクリスマスがきて、年末がいよいよやってきて、洋子 さん、
「あした生まれなかったら名手(和歌山)に帰るね。お正月の準備しないとい けないし和彦さん(大パパ)も置いてきてるので」
明日というのは29日で、2週間もまたされている洋子さんの声がかずさんの お腹に聞こえたのか、なんとその日に陣痛が来て、洋子さん
「生れるんやったらもう1日延ばすね、お父ちゃんに電話するわ」

その日に花が生れてぼくの梅沢海岸魚釣りもしばらくお暇をとり、翌30日洋子さんはスマホで撮った花の写真を最高の土産として和歌山に帰ったのだった