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    シロツメ草遠景

    堺の大泉緑地はBOKUが気にいってる数すくない公園のひとつ。 とりたて、シロツメ草を思ったわけじゃなくそろそろと歩いていればきっと見えてくるだろうと思って、歩いていたら、雪が積ったように白くなった丘のふもとの風景が丘の上…

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    クツとシロツメ草

    自慢のオムスの靴をはいて、大泉緑地の六月を散歩した。 ブラックのアフガンハウンドを連れた御婦人がいくぶん歩幅をゆるめだしたので、BOKUに見られているのを背中で感じているのがわかる。 犬は忠実に主人についていた。アフガン…

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    口をあけたサラリイマン

    会社の中で、役者になって演じることは簡単なことです。 会社の中で、名優といわれても たいしたことじゃない。名をあげることは、会社に入れば 誰にだってできる。 会社に逆らう人はアホな人。会社に従順な人がかしこい人。 会社は…

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    ハーモニカを吹く人

    色んな形をした会社を背景に笛を吹いてみたいと前から思っていた。 ハーモニカなら吹けるだろう。 心斎橋の楽器屋でハーモニカを手にしたときこころが踊った。 自分にも音楽が身近なものと感じてうれしくなってくる。 赤とんぼや鉄腕…

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    出勤する人

    色んな色を持った会社の前をカバンと傘と青い上着を手にした会社員が横断する。 大きな靴の足取りは軽く胸まで張ってまっすぐ前をみながら歩く。 色んな形をした会社の前をおだやかなころを持った会社員が横断する。 夢とか希望なんか…

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    解体

    ハムを切るようにプスプスと自分のからだを切ってしまいたいと思う時がある。 切られてもハムのように切ってしまっても自分であるような切り方で解体作業を続けられる固い意志の継続が解体前のBOKUに欠けているからあこがれの解体は…

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    窓の外(F)レコード鑑賞

    窓の外を眺めていたら夢がひろがって、明日はきっと恋しいひとに 会えるような気がしてきます。 そして、部屋の中で、古いステレオから流れてくる、サティの夢見る魚。 むかしわかれたひととかわかれざるをえなかったひととかが、音楽…

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    窓の外(E)レコード鑑賞

    二人でみた夢は手づくりのシュガーレスケーキを食べたあと、モーツアルトのピアノ協奏曲を古いステレオで聴くことでした。 やっぱり20番がいいと言ったとき、KIMIはケーキのつくり方の本をお腹にのせてねむっていた。 そういえば…

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    窓の外(C)電線

    画面いっぱい、窓枠にとり、窓の外をグレイの空気でおおい六本の電線がひかれる。 部屋の中でBOKUは、世の中のできごとについて考えをめぐらしてみた。 ゴルフや、競馬についてもソウルオリンピックも、ひとつのネタだったかもしれ…

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    窓の外(B)空席

    本はいらない。音楽も。いるのは、ネクタイと、青いスーツ一着だけ。 ある日、ある時、あるひとが、BOKUのアトリエを訪ねてきたけれど…… いつのまにか むこうを向いて、静かに遠ざかる。 1988.4