自慢のオムスの靴をはいて、
大泉緑地の
六月を散歩した。
ブラックのアフガンハウンドを連れた御婦人が
いくぶん歩幅をゆるめだしたので、
BOKUに見られているのを
背中で感じているのがわかる。
犬は忠実に主人についていた。
アフガンの毛並みが 六月の陽に光って、
まぶしくBOKUを照らしたけれど
BOKUの本当の気持は、
池のむこうのはるかかなたの
実体のない
あの人のことなのかもしれない。
ふと、オムスの足元を見つめると
ふんだんに散りばんだクローバーと溶けあって
シロツメ草が
BOKUの靴の下敷になっていた。
あたり一面のシロツメ草は
遠くへ行けば行くほど
白さを深めていった。