エッセイ

飲み会

「ママ、まだ帰ってこないの?」

花は午後6時を過ぎるとママの帰宅を気にする。花はママのことが大好きな のだ。僕が、
「ママ、今日は飲み会だから遅いよ」と答えると花は微妙に顔が沈んだように見えるも、健気にも「ふ~ん、だったら何時に帰ってくるの?」「多分9時頃だ と思うよ」「わかったパパは9時ね、私は9時半」「えっ~9時半か、だったら パパは10時にする」「わかった、私は9時半、パパは10時ね」

花は新しいピアノの練習をママと一緒にしたがる。まだ自信がないみたいだ。 ホタルとたんぽぽらしい。ホタルはピアノでタンポポはリズムうちの練習らし い。花は僕がピアノを弾けないのを良く知っている。
「ハナ~、宿題は終わってもまだピアノがあるよ、どうする?ごはん? ピアノ?」 「う〜ん、ピアノはママとするから、う〜ん、明日の朝にするね。だからご飯」 「分かった朝だね」「ね~、晩御飯なに~?」「ミンチカツとお魚」「・・・・・」
花はなんとなく今日のメニューが気にいらないようだ。カレーとハンバーグ、 餃子かラーメン、またはうどん、あるいはたこやき。ほんと花のメニューを考 えると頭が痛くなる。そういえば僕の小学生のころも同じだったような気がす る。にもかかわらず花には好き嫌いなく何でも、野菜とかもちゃんと食べてほ しいと思うのだ。子供とはこんなものなのか、それとも僕に食べ物の嗜好がそ っくりなのか、悩ましい問題です。

さてさて、ママはさすがに今日は飲まないで飲み会に参加するようです。飲 まない飲み会はよくわかりませんがママなりにいろいろ思案しているみたいだ。

9時半か, 10時か、ママは何時に帰ってくるのでしょう。僕と花は8時半 にいつもどおり和室にはいるのでした。