エッセイ

ガソリンスタンド

僕は月に2.3回二宮高校の交差点にあるガソリンスタンドを使う。かずさんも月に何 回か入れている。あそこははいりやすいし、なんかガソリンいれてからさあいくぞ~とな れる立地なのだ。ロピア、せいゆう、散髪屋、青葉、1号線・・・。とにかく常連になり やすい。だからかして、よく混んでいるときがる。とても流行っているガソリンスタンドなんだ。

まあ話はそれだけだったんですが、かずさんが最近、
「あのね、さくらちゃんのお父さんによく似たひとを交差点で見かけるのよね、朝に」
「ふ~ん、それで」
「いや、おつとめはどこかなって思って」
「そのへんちゃう、自営業ってゆうてたし」
「なんか、よくみかえるのよね、交差点あたりで、朝に」

そんなことがあって露木佳代議員が僕の個展のはがきを配ってくれることで先日僕のア トリエに来て頂いたのだ。その時に、
「露木さん、二宮って露木って多いよね」
「多いよ、露木に井上・・あとは」と言う話になって、
「露木さん。露木さくらちゃん、ほら一色先生のピアノ教室に通っているあの子と親戚?」
「ちがう、ちがう、リトミックでいちかもさくらちゃんと一緒やったから良く知ってるよ。 露木商会よ、手広くガソリンスタンドを・・・」
「えっ!ガソリンスタンド?」
「そうよ、ニノ高の交差点にある」
「えっ!あそこ、そうなんだ」
「露木商会って有名よ」

というわけで露木さくらちゃんのパパのお仕事はガソリンスタンドのオーナーさんだっ たということがわかり、かずさんの謎も解けて、先日、二宮駅前でアウディの青といっし ょになったので、アウディにちかずくと、さくらママ窓を開けてくれて、
「露木さんて、ニノ高のガソリンスタンドなんやて」
「そうそうそうなんよ」
「ぼくあそこの常連客だよ・・・」
「いつもありがとうございます」
笑顔が返ってきた。