エッセイ

セラビのママ友パパ友

セラビ助産院のいいところは、生れた後もいろいろとケアのオプションがホ ることです。親子ヨガやベビーマッサージもありました。そのほか季節ごとの 祭事もあって、二宮町に越してきて間がなかった僕達にはうってつけのコニュニティ空間でした。雛祭り、夏祭り、おいも掘り、クリスマス会というふうに セラビで生まれた子供のパパママはこぞって集まりました。たいていが玉城さ んの手作り料理にみんなが持ち寄った一品料理で立派なパーティができました。

そして当時、花は百合ヶ丘保育園に通っていて、そんなある日、あおし君マ マから、 「はなちゃんはまだ百合ヶ丘保育園なの?」 「そう、近いし小学校にはいるまでは保育園かな、あおし君は?」 「あおしはめぐみでいいのよ、男の子だからどろんこ遊びさせてくれるし」 「めぐみ?」 「めぐみ幼稚園よ、二宮駅に近いし。はなちゃんは海の星がいいんじゃない」 「うみのほし?」 「海の星幼稚園よ、めぐみのとなりにあるから。あそこはカトリックだし、花 ちゃんに会うと思うのよね。見学にいったことないの?」 「幼稚園の見学?」 「ふつうみんな見学にいくよ。例えばいくみだったらバス送迎はあるけど、係 りがねえ、多いかな」 「そうなんだ、海の星幼稚園ね。考えてみるよ」

幼児を持つ親は一般的に近隣の保育園と幼稚園をリサーチするらしい。親の 状況や子供の性格等を勘案して決めるらしい。僕達の概念は近けりゃいいと思 いなんの疑いもなく徒歩5分の百合ヶ丘保育園にきめていたのだ。 「だってあそこは、梅雨の頃から蚊がひどいでしょ、せまいし、古いし、先生 方はいいらしいけど」あおし君ママは詳しいのだった。 「たしかに蚊は気になるね」 「花ちゃん、小学校は?」 「小学校?う~ん、一色だと思うよ」 「えっ!受験しないの?」 「受験?」そんなこんなで中学受験は考えていたけれどもあおし君ママの教えで花は年中から海の星幼稚園に転園することに決まったのです。