• ポエム

    5年展

    詩は読まれない絵は見られないまして名もない人の詩や絵は永遠に陽にあたらずいつも、暗がりの中で時を刻んでいるだけでした。 街を歩けばどこにでもいるの人のつぶやきにやさしいあなたの感覚を与えて下さったこと、こころからお礼申し…

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    黄色いコートを着た生物学者

    木の根元に何か芽の 虫のようなゴミのようで 真珠のようなかすか 揺れ動く …… 黄色いコートを着た生物学者が 眼を凝らすとそれは ……。 白い人の人形もはいつくばってそれに…

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    黄色いコートを着た科学者

    もやのような背景それは都会の町並み。 つくられた風景のなんと白いこと いつか壊れて風化して チリとなって…….。 科学者は 黄色いコートを離さずそのチリを見つめる

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    黄色いコートを着た大学生

    可能性の箱を抱いて大きな街をたずねてみる。 予想どうり見るものさわるもの なにもかもがあたらしい。 自分がなくなってしまうようでこわい。 かといって批評の眼も もちあわせず大きな街の流行に合わせている。主体性のない自分を…

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    テレビでの戦争体験(A)~(J)

    真夜中のカーボーイカリフォルニアドールズ満月の夜二百三高地 幸福の黄色いハンカチーフ………。たくさんの映画を見てきたけれど 1991.1.17のテレビでみた戦争映像には驚いた。 皆が皆…

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    春の樹

    いつも秋から 冬にかけてのがまんの季節が自分の性に合っていると思いこむ。 じっと耐えながら呼吸する。 繰り返し継続することの重みをいやというほど 経験してきたからかもしれない。 春の樹の色や形や数や量や匂い。その乱舞のエ…

  • ポエム

    森。森の中。森のかたち。森の生き方。森の未来。 森と人の関係。森の気持。森の表情。森の優しさ。森の哀しみ。森の怒り。 森についてこの頃 よく考える 森がこの頃 気になる。

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    ベンチ

    座られて誰かに座られて座られ続けて こわれるまで白いベンチ。 どんと座る人そっと座る人中には足でふむ人 ける人ごろんとねころぶ人。 ベンチの波長ベンチの息づかい白いベンチの優しさに多くの人は気づかないけれども 読書する芸…

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    バス停

    バス停の白いオブジェ。バス停の呑気なイメージ。バス停のもつ性格。 今日あったできごともバス停にくるとふっと途切れてしまう。 待つというより空白になる時間の遊びに絵画の重要なテーマがかくされているとしたら 一見 かかしのよ…

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    ふじ色の海

    今、思うとふじ色の海は字を知らない母の世間体を気にした母の色が白かった13回忌を迎える母のまことに いいえたイメージだったかもしれない。 青でもなく紫でもなく藤色の海をこうして残すことができる仕合せを大切にしようと今日、…