エッセイ

お隣の谷山さんの奥さん、雨が降ると・・・

「 ピンポ~ん 」
アトリエで集中していたり、2階でドラマをみているとチャイムが鳴るとき がある。宅急便か宗教の勧誘か、新聞の集金?・・・ひょっとして窓越しの空 を見ると雨が・・・・しまった、またやってしもた。

「すいませんいつも」
「さっきふりだしたのよ」
谷山さんの奥さんが知らせてくれました。 あわててベランダの洗濯物を取り入れるのぶさんです。越してきてからなん どこういうことをくりかえしてきたことか。

洗濯物はかずさんの役割だからか。そもそも洗濯物のだしれに関しては日頃 からいたって無関心。僕の担当は料理と花の送迎。

にしても世の主婦さんはいつもこうして暮らしの感性をみがいているのか。 だとしたらすごい。谷山さんの奥さんも相当長く主婦業をされているので、自然に身についた技を昼間は僕一人だというこを良く理解されてよその洗濯物まで気にしてくれているのだ。ありがたいことです。

かずさん帰ってくるなり、
「きょう、ちゃんととりれてくれた?なんか朝から怪しかったのよ」
「だいじょうぶ、ちゃんと和室に」
「うん・・・なんか湿ってるけど・・・また谷山さんのチャイムで…. 」
「まあそういうことかな。すごいよね谷山の奥さんは人の家の洗濯物まで気にしてくれて」