エッセイ

北アルプス燕岳(2763m)登頂

1年生になると夏休みが長いので色々と旅の企画を考えないと家で僕と花の2人きりではもたない。それで昨年のお正月にことしは北アルプスに家族で登ろうと決めたのでした。

以来、吾妻山、箱根、丹沢あたりでトレーニングを積んでいよいよ北アルプス燕岳を目指すことになった。燕岳は以前登ったことがあるもののかずさんはもとより、花はまだ6才なんで少し不安もあった。

2泊3日の家族3人の山行。夏休みに入ってすぐに決行。登山用具もしっかり整えていざ出発です。1日目は燕岳の登山口にある中房温泉に宿泊して、翌日の朝早く出発することにした。

天候にも恵まれて花もかずさんもいたって元気です。でもさすがに中腹にある休憩小屋あたりからまず、かずさんがばてはじめた。花は以外にも元気でどんどん前に進みます。登山道は1本道だし、まず迷わないので僕はかずさんに自分のペースで登っておいでと指示して、花と登頂を目指した。

燕山荘が見えてきたとき花が、
「パパ〜、ホテル見えてきた、パパ〜ホテル見えた〜」
「あほか、あれはホテルじゃない山小屋や」
「でもなんかホテル見たい」たしかに燕山荘は遠目にはヨーロッパ風でそれに見える。僕はこれで間違いなしと心で問うて、後ろ振り返るもかずさんの姿はさっぱり見えません。

実はこの登頂記年日はかずさんの40歳の誕生日でもあったので、花と僕は山荘前でハッピバースディをするサプライズを企画していたのだ。花と僕は燕岳の売店で硬いケーキ(これしかなかったのです)を買って、まっこと30〜40分、なんとかかずさんもハ〜ハ〜言いながら登頂できたのでした。

山小屋に入るとスタッフが花の年齢確認をして、なんと「6才で燕岳登頂証明書」を発行してくださったのだ。